学習院女子大学、2026年に学習院大学に統合

志願者が減り続ける女子大

2023年7月27日、学習院女子大学(東京都新宿区)が2026年4月に学習院大学に統合することを明らかにした。3月には恵泉女学園大学(東京都多摩市)が、今年の入学生を最後に学生の募集を停止するというニュースに驚いたばかりだった。
18歳人口が減少する中、女子大は共学化やデジタル分野の理系学部を新設するなど、生き残りをかけた学生募集対策に奔走している。

今年の入試結果

学習院女子大の2023年入試結果を見ると、一般と推薦合わせて定員が335名のところ志願者は1601名で合格者が1021名、入学者が404名となっている(HPから算出)。ここ数年は志願者は減少傾向にあるものの、直ちに状況が悪化するほどではない。

赤短・白短・青短

短大御三家」をご存じだろうか?「赤短」は山脇学園短大、赤坂にあったので赤短。2011年閉学。「白短」は学習院女子短大、法人本部が目白にあったので白短。2001年に閉学、四年制の学習院女子大学へ。「青短」は青山学院女子短大。2019年に閉学。
 青短、白短、赤短はいずれも、開学は1950年(昭和25年)。1980年代には四年制大学の女子も含む「女子大生ブーム」を巻き起こした。

女子高生のニーズが変化

私が進路相談を受けた中で、10年ほど前までは「女子大だから」受験しないという傾向にあったが、最近では女子大に「行きたい学部がないから」受験しないという生徒が増えているように思う。確かに多くの女子大は家政系学部や文学部が中心である。しかし最近は法律や経済などの社会科学系学部志望の女子受験生が増えている。2022年の学部別女性比率は、立教大学経営学部50.5%、青山学院大学法学部48.9%、慶應義塾大学総合政策学部40.9%となっており、このところ上昇傾向にある。

女子大のサバイバルレース

今、女子大では新たな動きも見られる。国立では奈良女子大学が、2022年4月に女子大で初めて工学部を開設した。また2024年4月にはお茶の水女子大学が共創工学部を新設する予定だ。私立では日本女子大学が建築デザイン学部を2024年4月に開設を予定している。これから女子大募停ドミノが始まらなければ良いが・・・