今年の教員採用試験、6割が前倒しで6月に実施
人材確保のため?
教員採用試験の低倍率、退職・休職者の増加。教員を取り巻く状況は一向によくならない。
教職を魅力のある職業にしようと、「定額働かせ放題」の温床となっている教職調整手当を現行の4%(1ヶ月の残業時間8時間分)から10%以上に引き上げようという動きもある。
今度は教員採用試験の前倒しだ。今までは多くの自治体で7月に行われてきたが、今年は6割の自治体が6月に前倒しして実施するそうだ。理由は「人材確保のため」。優秀な人材が民間企業に流れないようにするためらしい。
4月時点で民間内定率約60%。優秀な人材は教員にならない!
今年も民間企業は早々に内定を出しており、就職情報会社の調査によると、4/1時点での内定率は6割近くになるようだ。文科省は来年度(2025年)の教員採用試験をさらに前倒しして5/11(日)を目安に実施することを全国の教育委員会に要請したそうだ(読売新聞オンライン)。
またも現場を無視した動き
例年教育実習は5月中旬から6月中旬にかけて行う学校が多い。校種によって2週間から4週間の実習期間が必要である。今までは実習が終わったあと7月に受験が可能であったが、今年は教育実習中に受験や、実習の直前直後に受験というケースが考えられる。来年は実習直前の受験となり、受験勉強と実習準備が重なることになる。
実習生を送り出す大学でも、実習指導と採用試験受験指導が重なるし、受け入れる学校も浮き足立った実習生を指導しなくてはならなくなる。
このタイトなスケジュールでは、ますます受験者が減るのではないだろうか。