都立高男女別定員を撤廃
来年の推薦・一般入試から男女別定員撤廃(現中3生の受験)
東京都教育委員会(都教委)は、来年の高校入試から推薦入試・一般入試 における男女別定員を全廃することを決めた(都教委HP)。
現在全日制普通科では 全国で唯一、入学定員を男女別に設けている(単位制、総合学科、専門学科等は男女別定員がない)。その結果、「女子だから」都立高に入学できない生徒が存在することが、ジェンダー平等の観点からも大きな話題となっていた。
2021年度は約700人の女子受験生が「女子だから」不合格に!
都立全日制168校で男女別定員制を設けているのは109校。2021年度入試では、男女の別なく成績順で合格者を決めたら合格するはずだった受験生が74校で786人にのぼった。そのうち女子が88%の691人だった。男女別定員制導入校は女子の合格最低点が男子よりも高い学校が多いのが現状となっている。
そもそもなんで男女別定員?
戦後民主教育の過程で男女平等教育が実施された。しかしそれまでの女子は「良妻賢母」型教育が中心で、男子に比べて学力が劣っていた(理数科目の授業時間が少ない)。そのままだと女子が高校に進学することが難しかったという背景がある。そのため、1950年から高校入試において男女別定員制が設けられたということだ。元々は女子の高校進学を保障する制度だったのだ。それが今は逆転して、男子より成績の良い女子が多くなり、その結果「女子だから」不合格という状況になってしまった。
肝心なのは内申点だ!
今の都立高校の入試制度を見てみよう。一般入試では学力検査点(英数国理社の筆記テスト)と調査書点(中学校の成績)を合計した総合得点で選抜される。原則として学力検査点は700点、調査書点は300点、総合得点1000点満点で選考される。今年度からはそれに加えて「ESAT-J」(スピーキングテスト)が0点~20点加算され、1020点満点となった。「ESAT-J」にも数々の問題点があるがここでは控えておく。
そこで問題なのが「内申点」⇒9教科(英数国理社+実技4科)の成績について得点化した点数のこと。成績の5段階評価は女子の方が相対的に高いし(定期テストや提出物などで点数が高い)、学校間でかなりの差がある(A校の5はB校の3に相当とか・・・)。
こちらの方は全く議題に上がっていないようだが、早急に解決しなくてはならない課題だと思う。