共通テスト ネット出願

共通テスト ネット出願

大学入試センターは2025年度に実施する「大学入学共通テスト」から、ネット出願を導入するそうだ。

まずここで注意すべきは「2025年度に実施する共通テスト」のこと。2025年度入試とは、2026年1月に実施する共通テストであり、受験業界で言う「2026年入試」のことを指している。今の高1生が受験するテストのことだ。

現在約9割の大学でネット出願が導入されており、進路指導現場では共通テストのネット出願が待たれていたところである。

共通テスト出願指導

なんと言っても毎年9月になると「共通テスト出願指導」があり、3年担任や進路指導部教員は神経を使う。以前どこかの高校で、教員が推薦入試の出願を忘れて処分を受けたという報道があったが、「出願」は生徒の人生に関わる大事なことでもあり、万が一にも間違いが無いように慎重の上に慎重を重ねる、進路指導部の教員にとっては大変な作業である。

生徒が書いた願書を確認し、とりまとめて大学入試センターへ郵送する。その後入試センターから各生徒に「確認ハガキ」が届く(ハガキといっても学校にまとめて送られる)。訂正箇所があれば学校でまとめて入試センターに送付。12月には受験票が届き各生徒に配布。受験後には自己採点データを大手予備校に送り、結果をもとに出願指導。これが一連の作業の流れである。

共通テストの成績開示

また文科省は例年4月に入ってから各自に郵送される「成績の提供」についても、個別試験の出願前にすることを今後の検討課題としている(だいたいにおいて、自己採点の点数と実際の点数は合わない。自己採点の方が高得点の生徒が多いのが現状)。

私がいつも思っていたのは、なぜ共通テストの(以前はセンター試験)出願を学校がやらなければいけないのかということ(浪人生は各自で出願するのに)。たぶんこれは大学入試センターの都合なんだろう(だってラクだもん、50万枚の封筒を開けるだけでも相当の時間がかかるし・・・、こうやって先生の仕事がどんどん増えていったんだねぇ)。でも本来「出願」は生徒個人の責任において行うものだと思う。もし学校にこんな大変な作業をやらせるのなら、せめて学校ごとの試験結果(科目ごとの平均点や受験者数など)をタダで教えてくれてもいいんじゃないの?

調査書のデジタル化はいつ?

ちなみにネット出願は多くの大学で行われているが、出願はこれで終わりではなく、生徒が最後に紙の「調査書」を大学に郵送しなけらばならないことは意外に知られていない。紙の「調査書」は毎年年末から新年早々、担任や事務職員などが手分けして数千枚に及ぶコピー作業ののち、ナンバリング、押印、割り印、折り、封入と、とてつもない単純作業の上に作成され、生徒に渡されている。教員の働き方改革というなら、まず調査書のデジタル化でしょ!