理系学部拡充へ文科省が118校支援
- 理系学部拡充へ文科省が支援
7月21日、文科省は3000億円の基金を活用し、理・工・農系学部を拡充する支援事業について、国公私立の大学・高専延べ118校を選んだことを発表した。選ばれたのは大規模私大のほか、地方の大学や女子大、音大なども見られる。
デジタルやグリーンなどの成長分野に対応した学部再編や、デジタル人材確保を目指す計画1件につき最大約20億円を支援する。今回の支援に合わせて初めて理系学部設置に乗り出す大学が全体の約3割にのぼっている。選定された大学は3年以内に学部や学科の開設に向けた設置認可などの手続きを進めることになっている。
新設学部ブーム
こんなニュースが伝わると思い出すのは、○○ブーム。
法科大学院(ロースクール)ブーム
司法制度改革のもと、2004年に法科大学院制度が創設された時は68校。2011年度からの学生募集を停止した大学を始めとし、その後も廃止や学生の募集停止が続いた。2023年度入学者選抜をおこなったのはピーク時(2005年74校)の半数以下となる34校となっている。
薬学部ブーム
2006年度に4年制から6年制になった薬学部。その時点で66大学67学部だったのが、2022年度には77大学79学部となっている。文科省は薬剤師バブル時代到来をふまえて、2025年度以降の6年制薬学部新設や定員増加を認めない方針を固めた(例外として、薬剤師不足の地域は新設・定員増を認める)。
看護学部ブーム
1991年度にはわずか11校だった看護系学部・学科を持つ大学が、2022年度には303校と激増。
学生募集の起爆剤として、「苦しいときの看護学部」的に増殖しているのが現状である。現在でも看護師不足は続いているが、最近では国家試験合格率が低迷している大学も散見される。
「無理系」
もう一つ心配されるのが「無理系」
景気が悪くなると理系が増える。20年間進路指導を担当していると、明らかに文理の割合が景気に左右されていることが分かる。理系は就職に有利と言われており、景気が悪いと保護者も生徒も「無理矢理」に「理系」に変えてしまう。私はこれを「ムリ系」 と呼んでいる・・・
デジタル人材を増やすのはいいが、「粗製乱造」とならなければ良いが・・・